三条エコノミークラブ

本例会レポート

3月OB公開例会及び2019年度ECの集い レポート

平成31年3月19日(火)、ザ・ガーデンテラスおゝ乃にて株式会社日本総合研究所 調査部上席主任研究員 藤波匠氏をお招きして「人口減少社会に挑む」というテーマでOB公開例会を開催しました。

 

まずはじめに古寺会長より「OBの皆様におかれましてはお忙しい中ご出席いただき、また、日頃より現役会員の活動に対しご理解ご協力を賜りましてありがとうございます。
私たち三条エコノミークラブは自企業の発展とともにこの地域経済の発展を目標に活動しております。その中で、人口減少というものは一つの大きな課題となっています。本日の藤波講師のご講演を糧に皆様の企業の益々の発展を祈念いたします」と挨拶がありました。

 

続いて講師プロフィールの説明があり講演に移りました。

「私がこの燕三条地域を訪れるのは今回で3回目となります。私自身が大学卒業後に家電メーカーの研究所に勤めていた経験もあり、製造業やものづくりといったことに対する憧れや尊敬の念を強く抱いておりますので本日のお話をいただけたことを非常に楽しみにしておりました。

この地域は企業間で連携をしながら色々な製品を世に出していると聞いております。
残念ながらこの三条市は人口減少が比較的早く進んでいます。今は非常にピンチかもしれませんが皆様の連携の中で革新をもたらし、新しいものを生み出せればこのピンチも乗り切れるのではないかと私は考えます」

 

地方の農業従事者数の推移を例に挙げ、団塊の世代が昭和から平成にかけて経験した時代背景と国の政策が作り出した人の流れ、それを受けて団塊ジュニア世代が置かれた現在の人口分布。そして、次世代の予想数を統計数値を元に説明されました。

東京の一極集中と見られがちだけれども人口転入超過を果たしている地方都市も存在すること。その増減人数の構成と要因を説明された上で、それぞれの地域が持つ特有の魅力を生かすことで地域全体の活性化につながること、国や自治体による施策も重要だが民間企業の力がなによりも効果的であることを具体事例を交えてご講演されました。

 

「残念ながら日本の場合は長いデフレの中で賃金を下げることが経営者の資質とみられる時期がありました。古い経営者の話をあげるまでもなく、経営者の資質というのは社員の賃金を上げられるかどうかである。それが地域の発展に繋がっていくわけです。
その地域に入ってきた若者がやりたいことができるかどうか。希望する所得をちゃんと得られるかどうかという環境を作っていくことが重要だと思います」

 

講演の最後には「持続可能な発展」と書かれた色紙を受贈いたしました。

「私は元々環境問題を専門にしておりました。その中で90年代にすごく言われていた言葉です。これは単純に自分達だけが経済発展していけばいいわけじゃないよねと。やはり、環境問題にも配慮しながら、途上国にも配慮しながら発展していくことがあるべき姿ですよということでした。

これは、今の日本の社会や地方政策にものすごく影響しているなと感じています。
この三条市も確かに人口は減っているけれども、それでも100年、200年に渡ってこれからも人は住み続けていく訳で、そういったことを考えていくと経済的な発展も含めて地域を持続的に発展させていくということが極めて重要であると思います。」

 

最後にこの例会を企画・運営した小山リーダーより挨拶があり、3月OB公開例会は閉会しました。

「私自身が製造業ということで、近年なかなか人が採りづらいなということを肌身に感じていました。また、テレビや書籍などを見聞きする中で人口減少というものが起こっていることは漠然とはわかっているけども、実際にどのくらい進行しているか、また地域や経済に対してどの様な影響を与えているのかというのを勉強したいという想いがまずありました。

今回藤波講師からたくさんの事例とデータを用いて示していただき、我々のおかれている状況は非常に厳しいということはわかったんですが、その中でこの三条エコノミークラブなどの企業間の連携がこの地域を存続させるためには非常に必要なことなんだと改めて感じました。

これからもみなさんとともに学んでこの燕三条地域だけでなく、新潟県も含めて我々民間の力として頑張っていかなければいけないと強く実感しました」

 

 

 

 

会場を移動して続いて開催されたECの集いでは、三条エコノミークラブの58回目の誕生日を藤波講師とOBの皆様に同席頂き、盛大に祝うことができました。

 

今回の講演を終えて、漠然としか抱いていなかった人口減少のリアルな数字を目の当たりにして危機感を強めたのと同時に、地域の企業間連携の重要性や人との繋がりが何よりも大切であると実感しました。
また、それを叶えるこの会を維持してこられた諸先輩方と創立記念日を祝うことができ、この地域の魅力の一つを再認識することができました。

広報委員会 早川貴浩

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