三条エコノミークラブ

本例会レポート

経営情報委員会 STEP3 資金繰りセミナー

2016年10月18日(火) Geo World VIPにて経営情報委員会 STEP3 「資金繰りセミナー」を講師に武田中小企業診断士・社会保険労務士事務所 武田 浩昭 氏をお招きして開催致しました。

 

始めに、久保会長より挨拶があり、「今、時代の流れはとても速く、流れの取り残されてしまう企業が多くある中で明日どうなるかわからないのが現状です。県知事も変わり新しい政策が展開される中で自身の目で見て判断しなければならない。時代に対する力をつけ、会社に置き換えながら実践して欲しい」とお話になりました。

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次に武田講師による講演が始まりました。

 

はじめに、決算書という事で、損益計算書と貸借対照表の見方を説明頂き、「なぜ利益と現金がイコールにならないのか?」というお話を頂きました。

利益が50あるとして、現金が5しか残らないのはなぜか?設備投資20、在庫増20、売掛15、買掛10とすると現金は5しか残りません。この現象は「お金(在庫)が寝ている」という考えで在庫が現金だと考えます。ここで大切になってくるのが「回転日数」です。

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次にバランスシートの例を参考に採算戦略の考え方をお話し頂きました。

なるべく在庫を抱えない様に在庫の掃出し回転数を上げる事と売り掛けの回収をする事で自己資本を伸ばし、その余力で借り入れを返済する事が大切とお話し頂きました。

その中の分類として、設備資金と運転資金の例を基に説明して頂きました。

設備資金は「不動産関係、店舗・事務所関係、事務用品、車両、その他」があるとしました。

運転資金は「店舗・事務所の貸借料、仕入れ代金、材料費、宣伝広告費、人件費、生活費」としました。

 

次に1つの件名における必要運転資金のお話をして頂きました。

 

仕入~販売~出金~入金の流れの中で、「仕入れ~販売」「出金~入金」の期間のタイミングが重用であるとお話し頂きました。~の期間が長ければ長いほど、他件名の在庫と重なり「カネ(在庫)が寝る」現象が多くなります。すると出金が多くなり、自己資本が小さくなってしまいます。

「仕入れ~販売」「出金~入金」の期間をなるべく短く、回転日数をあげる資金繰りをする事が大切としました。

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最後に、資金繰りの考え方として5つをポイントとしてあげて頂きました。

  1. 売掛金や受取手形といった売上債権を減らす事
  2. 原材料・製品といった在庫を減らす事
  3. 買掛金や支払手形といった仕入債務の支払条件を検討する事
  4. 手付金などの前受金・従業員などの預り金などをふやす事
  5. 会社で発生する経費削減

としました。

なるべくムダを省いて、現金を多くする事で自己資本が大きくなり、資金繰りが楽になる

続いて色紙受贈が行われました。

 

セミナーを終え、同会場にて懇親会が行われました。

毎回同様、参加者の笑顔の絶えない交流となり、今回のセミナーを無事に終了しました。

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今回のSTEP3に参加して、改めて資金繰りの重要性を確認することが出来ました。日々の仕事の中で現金を手に仕事をする事はあまりなく資金繰りを忘れがちになってしまいます。ですが一番大事なのは「カネ」であり、それを円滑に回すことが出来れば安定経営に繋がると感じます。建設業界では数千万~億の金が常に動いて、資金繰りは困難で失敗すれば足元をすくわれかねない事があると聞きました。

金額が大きければ大きいほどそのリスクは高く、常に意識しなければやっていけないと感じ、会員から異業種の資金繰りを聞く事が出来、情報交換の場としてとても有意義なものになりました。

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広報委員会 湯本辰典

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