令和元年11月21日(木)三条商工会議所4階研修室にて、wirefactory主宰、デザイン学研究者の中島郁子氏をお招きして「経営を”デザイン”する」というテーマで11月本例会を開催致しました。
まずはじめに古寺会長より「あと1ヶ月少々で今年も終わります。私自身、1月から会長をやらせていただいて最近は充実感よりも焦燥感を強く感じています。色々あったこの一年を終えた時に一瞬の達成感を持つ事もいいのですが、翌日にはまた新しい1日を貪欲に迎える気構えが大事なのではと思います」と挨拶がありました。
続いて講師プロフィールの説明に移りました。
中島講師は”日本及び地域発デザイン的思考とは”をテーマに世界各地のデザイン手法や思想を研究されており、世界各国の大学におけるワークショップに指導者や参加者として参加され、最先端のデザインメソッドを学んでおられます。また、2010年からの数年間を三条マルシェ実行委員会のアドバイザーに就任され、その立ち上げから携わっておられました。現在は地域産業や地域コミュニティの発展を実現すべく様々な取り組みをされておられます。
続いてご講演が始まり、その冒頭に「デザインは誰か才能がある人がヒュッと絵を描いて出来上がるものではなく、自分たちもデザイナーであるという感覚を身につけていただきたいと思います」とお話しされていました。主にデザイン的な思考と視点を手に入れるための考え方を、身の周りにある具体的な例とワークショップを交えてご説明いただきました。
講演の中でひとつの市販洗剤を例に挙げられ、この容器の形やサイズ、ラベルの装飾からキャップ圧の強さにまで、今の形になった狙いや目的を専門家の目線から細かくご紹介いただきました。
また、ワークショップでは各参加者が普段意識していない潜在意識を掘り起こす作業を行い、各テーブルに別れた会員たちは活発に意見を出し合っていました。
最後には「デザインは人を幸せにする技術である」と書かれた色紙を受贈しました。
ご講演の中で話されていた、「デザインは日本語で言うと”設計”です。これが出来たらいいよねと言うものを考えて、そこに向かう行為がデザインなのだと思います」と言う言葉が大変印象的で、在る物をより良くする、無い物を新たに作り出すための過程をどう構築するかといった部分の考え方を改められたと感じました。
早川 貴浩